何か疑問があれば、すぐ工場に行ける
大学では天文学を専攻していました。「えっ?なんで刃物の会社に就職したの?」とよく言われます。実は、天文学の中でも望遠鏡に関連する装置の開発をしていたのです。大学院では望遠鏡にカメラを接続するための装置を対象に、赤外線を見られる光ファイバーの研究をしていました。そのような学生生活を過ごした私の働きたい会社の条件は「工場と事務所が近い」こと。大学時代から、自分で図面を書いて、それを自分で作ってということを繰り返していました。アイデアをできるだけ早く試せる環境の方がスピード感を持って取り組めると感じ、研究開発や設計と製造は近い位置にあるほうがいいと思ったのです。兼房はその条件に合っており、何か話し合いたいときは、今でもすぐに工場へ行けます。その環境も、兼房の強みだと思っています。
精度や耐久性まで考え抜いた設計図面
兼房が作っている刃物の形は大きく3つあります。簡単に分けると、丸いもの、平たいもの、それ以外のもので、兼房では、それぞれ丸鋸・平刃・精密刃具と呼んでいます。その中で私が所属している精密技術一課は、丸いもの・平たいものではない、それ以外の刃に関わる部署です。そこで私は、設計と製図を担当しています。図面の作成では、営業の方がお客様との打合せで聞いてきた、このような刃物が欲しいという依頼を具体化していきます。お客様によって加工するものが変わり、現在の刃物を5mm長くしたい、ねじれて溝がある形の刃物の溝を深くしたい、といった内容などにも対応しています。単純に長くすれば良いという訳ではなく、その変更により精度や耐久性にどう影響するか、という点にも気をつける必要があります。また、ご要望に対して簡単に応えられないこともあり、頭から離れず悩み続けることもありますが、その実現アイデアが出たときの喜びは格別なものです。
お客様の製造現場を実際に見て提案する
兼房は、お客様からの依頼だけでなく、こちらから提案することも多くあります。実際にどのようにお客様の工場で刃物が使われているかを聞き、「それならもっと短い方が使いやすい」「この刃型にした方が加工しやすい」といった提案をしていきます。これからも、できる限り刃物を使ってくださっているお客様の工場まで伺い、加工現場を見て、その加工に合った製品を提案していきたいと思っています。今は特注品を使用されていても、既製品で対応できるかもしれません。そうすればお客様はコストを下げることができます。お客様の視点に立って、最適な「切る」や「削る」を提供する。そのような思いで仕事に取り組んでいます。
1年目に参加した新製品開発
工業用機械刃物は、製品それぞれがお客様の使用用途に特化しています。とくに兼房はお客様ごとに微妙に設計の異なる刃物を製作することが多く、そのぶん価格も高くなりますが、それに見合うだけの加工品質を提供できることが強みです。兼房にしか頼めないと思ってくださっている実感があり、世界中で行われているモノづくりを自分が支えている、という自負を持っています。入社1年目に新製品開発に参加させてもらった製品が展示会で賞をいただきました。若手にもどんどん仕事を任せ、早い時期から開発に参加できる点は、兼房のいい企業風土だと思っています。若いうちから、積極的に色々な仕事にチャレンジしたいと思う方にとって、兼房は恵まれた環境です。
R.I.の
ある1日
- 8:00
- 出社昨日までの進捗をもとに今日の仕事リストをチェック
- 8:25
- 朝礼後、メールをチェック展示会や新製品などの情報収集も併せて行う
- 8:40
- 図面作成集中できる時間を確保して一息に描き切る
- 10:00
- 改善活動打合せ複数のグループがあり、私は若手グループでIT化を推進
- 11:45
- 昼休憩
- 12:30
- 製品の調査お客様から預かった製品の不具合を調査
- 15:00
- 新製品の打合せ工場で新製品として開発中のものについて加工が実現できるか打合せ
- 17:10
- 退社
PRIVATE
写真を撮ることが好きで、何かを撮りたいという目的で出かけます。ずっと好きな天文学ですと、今でも天文台に行って星を撮っています。他にも動物園や水族館で動物や魚を撮影したり、自然あふれる場所に出かけて風景を撮ったり。家では読書をすることが多いですが、実はゲームも好きで、時間を忘れてプレイしてしまうこともあります。
MESSAGE
誰にとっても良い会社というのは無いと思います。自分に合うか合わないか、が重要です。私も工場と事務所が隣接している企業をいくつか訪問しましたが、会社の雰囲気は兼房が一番好きでした。学生時代の研究とは異なる分野ですが、課題があって、原因を突き止めるために実験や評価を繰り返して、機械であれば設計して作る。そして周囲に共有するために資料にまとめていく。その過程は、どのような研究でも同じです。分野が違うからといって選択肢から外すのではなく、新たな成長が望めると捉えて、ぜひチャレンジして欲しいと思います。